墓じまいとは?流れと手続き、費用の目安をやさしく解説
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この記事のポイント
- 墓じまいとは、今あるお墓の墓石を片付けて墓地を返し、中の遺骨を新しい納骨先へ移すことです。
- 遺骨を移すには、今のお墓がある市区町村で「改葬許可証」をもらう必要があります。
- 手続きの順番は、親族との話し合い → 新しい納骨先を決める → 改葬許可の申請 → 閉眼供養と撤去 → 新しい場所への納骨、です。
- 費用は、墓石の撤去、お寺へのお礼、新しい納骨先の費用の3つに分けて考えると見通しが立ちます。
墓じまいとは、今あるお墓の墓石を片付けて墓地を管理者に返し、中の遺骨を新しい納骨先へ移すことです。遺骨を移すには、今のお墓がある市区町村で「改葬許可証」をもらう必要があります。進める順番は、親族との話し合い、新しい納骨先選び、役所の手続き、お墓の片付け、新しい場所への納骨。この記事では、その流れを7つのステップで説明します。
「子どもに負担をかけたくない」「お墓が遠くて、お参りや掃除に行けなくなった」。墓じまいを考える方の多くは、こうした理由からです。元気なうちに自分で道筋をつけておくと、家族の負担もぐっと軽くなります。
墓じまいとは?
墓じまいは、お墓の「引っ越し」と「片付け」を一度にすることです。法律や役所の書類では、お墓から遺骨を取り出して別の場所へ移すことを「改葬(かいそう)」と呼びます。
墓じまいをした後の遺骨の行き先には、主に次のようなものがあります。
| 移す先 | どんなところか |
|---|---|
| 永代供養墓(合祀墓) | お寺や霊園が、家族に代わって供養と管理を続けてくれるお墓。ほかの方の遺骨と一緒に埋葬する形が多い |
| 樹木葬 | 墓石の代わりに樹木や草花を目印にするお墓 |
| 納骨堂 | 屋内に遺骨を納めるスペースが並ぶ施設 |
| 散骨 | 遺骨を細かく砕いて、海などにまく方法 |
| 手元供養 | 遺骨の一部を自宅で保管する方法 |
お墓を移す方は年々増えています。厚生労働省の統計では、2024年度の改葬の件数は17万6105件で、統計を取り始めてから最も多くなりました。
墓じまいの流れ(7つのステップ)
墓じまいは、次の順番で進めます。新しい納骨先を先に決めるのが、手続きをスムーズに進めるポイントです。
- 親族と話し合う
- 新しい納骨先を決める(受入証明書をもらう)
- 今のお墓の管理者に伝える(埋葬証明書をもらう)
- 市区町村で改葬許可を申請する(改葬許可証をもらう)
- 閉眼供養(へいげんくよう)をする
- 遺骨を取り出し、墓石を撤去して、墓地を返す
- 新しい納骨先に納骨する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ステップ1:親族と話し合う
お墓は、自分だけのものではないことが多いものです。兄弟姉妹や親戚など、お参りに来る方がいる場合は、必ず事前に相談しましょう。
後になって「勝手に墓じまいをされた」ともめるケースもあります。墓じまいをしたい理由、遺骨を移す先、費用を誰が負担するかを、できるだけ具体的に伝えておくと話がまとまりやすくなります。
ステップ2:新しい納骨先を決める
遺骨を移す先を決めて、契約します。契約すると、新しい納骨先から「受入証明書」(または「使用許可証」)が発行されます。この書類は、役所の手続きで必要です。
どこに移すかで、その後のお参りのしかたや費用が大きく変わります。詳しくは、永代供養とは、樹木葬とは、海洋散骨とはの記事で説明しています。
ステップ3:今のお墓の管理者に伝える
お寺や霊園など、今のお墓を管理しているところに、墓じまいをしたいと伝えます。お寺の墓地の場合は、いきなり「やめます」と伝えるのではなく、まずは相談する形で話を切り出しましょう。長くお世話になってきたお寺との関係を大切にすると、その後の話し合いがスムーズです。
管理者からは、遺骨が埋葬されていることを証明する「埋葬証明書」を出してもらいます。改葬許可の申請書に、管理者が証明を書き込む形の自治体もあります。
ステップ4:市区町村で改葬許可を申請する
今のお墓がある市区町村の役所に、改葬許可を申請します。お住まいの市区町村ではないので、注意してください。
主に必要な書類は次のとおりです。自治体によって違うことがあるので、事前に役所のホームページで確認しましょう。
| 書類 | どこでもらうか |
|---|---|
| 改葬許可申請書 | 役所の窓口やホームページ。遺骨1人分につき1枚必要なことが多い |
| 埋葬証明書 | 今のお墓の管理者(お寺・霊園) |
| 受入証明書(使用許可証) | 新しい納骨先 |
| 改葬の承諾書 | お墓の使用者(名義人)と申請する人が違う場合に必要 |
書類がそろって申請すると、「改葬許可証」が発行されます。この許可証がないと、遺骨を移すことができません。
ステップ5:閉眼供養をする
閉眼供養とは、お墓から遺骨を取り出す前に、お坊さんにお経をあげてもらう儀式です。「魂抜き」とも呼ばれます。宗派や地域によって考え方が違うので、お寺と相談して決めましょう。
ステップ6:遺骨を取り出し、墓石を撤去して、墓地を返す
石材店に依頼して、遺骨を取り出し、墓石を解体・撤去して、墓地を更地に戻してもらいます。更地にした墓地は、管理者に返します。
公営霊園や民間霊園では、工事をする石材店が決められている場合があります。管理者に確認してから依頼しましょう。
ステップ7:新しい納骨先に納骨する
新しい納骨先に改葬許可証を提出して、遺骨を納めます。開眼供養(魂入れ)や納骨式をするかどうかは、納骨先やご家族の考えで決めます。
墓じまいの費用の目安
墓じまいの費用は、大きく分けて次の3つです。金額は地域、お寺、お墓の広さや場所で大きく変わるので、ここでは一般的にいわれる目安として紹介します。
| 費用の項目 | 目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 墓石の撤去・墓地を更地に戻す工事 | 墓地1平方メートルあたり10万〜15万円程度 | 重機が入れない場所や山の上などは高くなることがある |
| お寺へのお礼(閉眼供養のお布施、離檀料など) | お寺によって大きく異なる | 離檀料は法律で決まった支払いではない |
| 役所の手続き | 無料〜数百円程度 | 自治体によって異なる |
| 新しい納骨先 | 移す先の種類で大きく異なる | 下の表を参照 |
出典:鎌倉新書「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」ほか
新しい納骨先の費用は、どこに移すかで大きく変わります。お墓の情報サイト「いいお墓」を運営する鎌倉新書の調査(2026年)では、新しくお墓を購入した方の平均購入額は次のとおりでした。
| お墓の種類 | 平均購入額 |
|---|---|
| 一般墓 | 152.0万円 |
| 納骨堂 | 81.5万円 |
| 樹木葬 | 71.7万円 |
出典:鎌倉新書「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」
同じ調査で、購入したお墓の種類は樹木葬が47.4%と最も多く、合祀墓・合葬墓(16.4%)が一般墓(15.2%)を上回りました。
費用は石材店やお寺によって差が大きいので、墓石の撤去は複数の石材店から見積もりを取るのがおすすめです。費用の内訳や安くおさえるコツは、墓じまいの費用相場の記事でくわしく説明します。
自治体によっては、墓じまいの費用の一部を補助する制度があります。墓じまいの補助金の記事もあわせてご覧ください。補助がある自治体は、地域別の墓じまいの補助金にまとめています。
墓じまいで気をつけたいこと
親族の理解を得てから進める
一番多いトラブルは、親族との行き違いです。手続きを始める前に、話し合いの時間を十分に取りましょう。
お寺とは「相談」から始める
お寺にとって、檀家が離れることは大きな出来事です。感謝の気持ちを伝えつつ、相談する形で話を進めると、トラブルになりにくくなります。もし高額な離檀料を求められて話がまとまらないときは、ひとりで抱え込まず、消費生活センター(消費者ホットライン「188」)や、弁護士などの専門家に相談しましょう。
移す先を決めてから動く
役所の申請には新しい納骨先の証明書が必要です。先にお墓を片付けてしまうと、遺骨の行き場がなくなってしまいます。
業者に任せる範囲を決めておく
最近は、親族との調整を除く手続き(書類の取り寄せ、石材店の手配、新しい納骨先の紹介など)をまとめて代行するサービスもあります。遠方にお墓がある方や、体力的に何度も足を運ぶのが難しい方は、利用を検討してもよいでしょう。業者の選び方は、墓じまい業者の選び方の記事で紹介します。
まとめ
- 墓じまいとは、今のお墓を片付けて墓地を返し、遺骨を新しい場所へ移すことです。
- 遺骨を移すには、今のお墓がある市区町村で「改葬許可証」をもらいます。
- 進める順番は、親族との話し合い → 新しい納骨先 → 改葬許可 → 閉眼供養と撤去 → 納骨。
- 費用は「撤去工事」「お寺へのお礼」「新しい納骨先」の3つに分けて、見積もりを取りましょう。
お墓のことは、ご家族と話すきっかけがないと先延ばしになりがちです。この記事をご家族に送って、話し合いを始めるきっかけにしてみてください。
よくある質問
墓じまいは何から始めればいいですか?
まず、お墓に関わる親族と話し合い、墓じまいをすることに納得してもらうことから始めます。そのうえで、遺骨を移す先(永代供養墓・樹木葬・納骨堂など)を決めます。役所の手続きでは新しい納骨先の証明書が必要になるため、移す先を先に決めておくことが大切です。
墓じまいに役所の手続きは必要ですか?
必要です。お墓から遺骨を取り出して別の場所へ移すことを「改葬」といい、法律で市区町村長の許可が必要と決められています。今のお墓がある市区町村の役所に申請して「改葬許可証」を受け取り、新しい納骨先に提出します。
墓じまいにはいくらかかりますか?
墓石の撤去工事、お寺へのお礼(閉眼供養のお布施など)、新しい納骨先の費用がかかります。墓石の撤去は、墓地の広さ1平方メートルあたり10万〜15万円程度が目安といわれますが、場所や工事のしやすさで変わります。新しい納骨先は、合祀型の永代供養墓なら比較的安く、樹木葬や納骨堂ではそれより高くなるのが一般的です。必ず複数の見積もりを取りましょう。
離檀料は払わないといけませんか?
離檀料は、お寺の檀家をやめるときにお礼として渡すお金です。法律で決まった支払いではありません。ただ、長くお世話になったお寺との関係もあるので、まずはお寺に墓じまいの相談をし、気持ちよく区切りをつけられるように話し合いましょう。高額を求められて困ったときは、消費生活センターなどに相談できます。
墓じまいはどのくらいの期間がかかりますか?
親族との話し合いや新しい納骨先探しに時間がかかることが多く、全体で数か月かかるのが一般的です。役所の手続き自体は書類がそろっていれば短期間で済みますが、自治体によって異なります。お盆やお彼岸の時期は石材店やお寺が忙しいので、余裕をもって計画しましょう。
参考にした情報
制度や金額は変わることがあります。最新の情報は、各機関の公式サイトや窓口でご確認ください。
この記事の更新履歴
- 公開しました。
次に内容を見直す予定:2027年10月ごろ
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この記事を書いた人
年金・医療・介護の制度、詐欺の対策、終活、相続、お葬式とお墓について、厚生労働省・日本年金機構・警察庁・法務省・自治体などの公的な情報を確認しながら記事を作成しています。制度や数字は、定期的に見直して更新しています。