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後期高齢者医療制度とは?75歳からの保険料と窓口負担をやさしく解説

この記事のポイント

  • 後期高齢者医療制度とは、75歳以上の方(一定の障害がある方は65歳以上)が加入する医療保険です。75歳の誕生日から、手続きをしなくても自動で切り替わります。
  • 病院や薬局の窓口で払う割合は、所得によって1割・2割・3割のどれかです。毎年8月1日に判定されます。
  • 保険料は、都道府県ごとの広域連合が決めます。令和8・9年度の全国平均は、1人あたり月7,989円です。多くの方は年金から天引きされます。
  • 紙の保険証の新しい発行は終わり、今はマイナ保険証か「資格確認書」で受診します。

後期高齢者医療制度(こうきこうれいしゃいりょうせいど)とは、75歳以上の方が全員加入する医療保険です。75歳の誕生日から、それまでの国民健康保険や会社の健康保険から、手続きをしなくても自動で切り替わります。病院の窓口で払う割合は、所得によって1割・2割・3割のどれか。保険料は都道府県ごとに決まり、令和8・9年度の全国平均は1人あたり月7,989円です。

この記事では、75歳になると何が変わるのか、保険料と窓口負担はどう決まるのか、保険証の代わりに何を使うのかを説明します。

後期高齢者医療制度とは?

後期高齢者医療制度は、75歳以上の方の医療を支えるための公的な医療保険です。2008年4月に始まりました。「長寿医療制度」と呼ばれることもあります。

項目内容
加入する人75歳以上のすべての方。65〜74歳で一定の障害があり、認定を受けた方
運営しているところ都道府県ごとの「後期高齢者医療広域連合」(窓口は市区町村)
保険料広域連合ごとに決まる。1人ひとりが払う
窓口負担所得によって1割・2割・3割

75歳になると何が変わる?

75歳の誕生日当日から、次のように変わります。

  1. それまでの健康保険(国民健康保険や会社の健康保険など)を抜けて、後期高齢者医療制度に入ります。
  2. 誕生日の前に、市区町村から「資格確認書」などの書類が届きます。
  3. 保険料は、夫婦であっても1人ずつ払います。

会社の健康保険に入っていて、扶養していたご家族が74歳以下の場合は、そのご家族が国民健康保険などに入り直す必要があります。手続きは、お住まいの市区町村の窓口で確認しましょう。

窓口負担は1割?2割?3割?

病院や薬局の窓口で払う割合は、住民税の課税所得と、年金収入などの合計で決まります。毎年8月1日に、前の年の所得で判定されます。

負担割合主な基準
3割(現役並み所得)住民税の課税所得が145万円以上の方と、同じ世帯の被保険者
2割課税所得が28万円以上145万円未満で、「年金収入+その他の合計所得金額」が、単身世帯で200万円以上、後期高齢者が2人以上の世帯で合計320万円以上
1割上のどちらにも当たらない方(住民税非課税の世帯の方は、基本的に1割)

出典:厚生労働省「後期高齢者医療における窓口負担割合の見直し」、大田区「後期高齢者医療制度の自己負担割合について」(2026年10月22日に確認)

3割の方でも、申請で下がることがある

課税所得が145万円以上でも、収入が少ない場合は、申請すると1割または2割になることがあります。

世帯条件
被保険者が1人収入が383万円未満
被保険者が2人以上収入の合計が520万円未満

出典:大田区「後期高齢者医療制度の自己負担割合について」(2026年10月22日に確認)

※被保険者が1人で383万円以上でも、同じ世帯に70〜74歳の方がいて、合計の収入が520万円未満なら対象になります。ここでいう「収入」は、必要経費や控除を引く前の金額です。

市区町村で収入が確認できる場合は、申請しなくても判定されることがあります。届いた通知の負担割合が「思っていたのと違う」と感じたら、お住まいの市区町村の後期高齢者医療の窓口に相談しましょう。

2割負担の方の配慮措置は終わりました

2割負担が始まった2022年10月から、外来の負担の増え方を1か月3,000円までに抑える「配慮措置」がありました。この措置は2025年9月30日で終わり、2025年10月からは、2割負担の方の外来の自己負担の上限は月18,000円になっています。

医療費が高額になったときに、上限を超えた分が戻ってくるしくみは、高額療養費制度の記事で説明します。

保険料はいくら?

保険料は、都道府県ごとの広域連合が、2年ごとに決めています。1人ひとりの保険料は、次の2つを合わせた額です。

  • 均等割:加入している全員が同じ額を負担する分
  • 所得割:所得に応じて負担する分

厚生労働省によると、令和8・9年度の保険料の全国平均は次のとおりです。

項目1人あたりの月額(全国平均)
令和8・9年度の保険料(医療分)7,989円
令和6・7年度の保険料(医療分)7,411円
増えた額578円(7.8%増)
子ども・子育て支援の分(令和8年度)194円

出典:厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」(2026年4月10日)

所得が少ない方は、均等割が軽くなるしくみがあります。ご自分の保険料は、市区町村から届く「保険料額決定通知書」で確認できます。

保険料の払い方

多くの方は、年金から天引き(特別徴収)されます。年金の額が少ない方などは、納付書や口座振替で払います(普通徴収)。75歳になってすぐの数か月は、納付書で払うことが多いので、届いた書類を確認しましょう。

保険証の代わりに何を使う?

後期高齢者医療の紙の保険証は、2024年12月2日から新しく発行されなくなりました。今は、次のどちらかを病院の窓口で見せて受診します。

使うものどんな人に
マイナ保険証保険証として登録したマイナンバーカードを持っている方
資格確認書マイナ保険証を持っていない方、使っていない方など。市区町村から郵送で届く

資格確認書には有効期限があり、毎年新しいものが届きます。たとえば東京都の文京区では、令和8年度の資格確認書(有効期限は令和9年7月31日まで)を7月に郵送しています。誰に資格確認書が届くかは地域によって違うことがあるので、届いた書類の案内を確認しましょう。

マイナ保険証を使っている方には、「資格情報のお知らせ」が届きます。こちらはマイナ保険証と一緒に見せるもので、これだけでは受診できません。

困ったときの相談先

相談したいこと相談先
保険料、負担割合、資格確認書のことお住まいの市区町村の後期高齢者医療の窓口
制度全体のこと各都道府県の後期高齢者医療広域連合

まとめ

  • 後期高齢者医療制度は、75歳以上の方が全員入る医療保険です。75歳の誕生日から自動で切り替わります。
  • 窓口負担は、所得によって1割・2割・3割。毎年8月1日に判定されます。
  • 保険料は都道府県ごとに決まり、令和8・9年度の全国平均は月7,989円。多くの方は年金から天引きです。
  • 紙の保険証の発行は終わりました。マイナ保険証か資格確認書で受診します。

75歳の誕生日が近づいたら、届く書類を一緒に確認できるよう、この記事をご家族にも送っておくと安心です。

よくある質問

後期高齢者は何歳からですか?

75歳からです。75歳の誕生日当日から、それまで入っていた国民健康保険や会社の健康保険を抜けて、後期高齢者医療制度に切り替わります。また、65歳から74歳で一定の障害があり、広域連合の認定を受けた方も加入できます。

75歳になったら、自分で手続きが必要ですか?

原則として必要ありません。75歳の誕生日から自動で加入し、資格確認書などが届きます。ただし、会社の健康保険に入っていて、扶養されていたご家族(74歳以下)がいる場合は、その方が国民健康保険などに入り直す手続きが必要になることがあります。

窓口負担が1割か2割か3割かは、どうやって決まりますか?

住民税の課税所得と、年金収入などの合計で決まります。課税所得が145万円以上の方は3割、28万円以上145万円未満で年金収入とその他の合計所得金額が一定以上の方(単身世帯で200万円以上、後期高齢者が2人以上の世帯で合計320万円以上)は2割、それ以外の方は1割です。3割の方でも、収入が一定未満なら申請により1割または2割になる場合があります。

後期高齢者医療の保険料は毎月いくらですか?

お住まいの都道府県や所得によって違います。厚生労働省によると、令和8・9年度の全国平均は1人あたり月7,989円です。これとは別に、令和8年度から子ども・子育て支援のための分(全国平均で月194円)が加わっています。ご自分の保険料は、届く通知書か、お住まいの市区町村の窓口で確認できます。

紙の保険証はもう使えませんか?

後期高齢者医療の紙の保険証は、令和6年12月2日から新しく発行されなくなりました。今は、マイナ保険証(保険証として登録したマイナンバーカード)か、市区町村から届く「資格確認書」を窓口で見せて受診します。資格確認書には有効期限があり、毎年新しいものが届きます。

参考にした情報

制度や金額は変わることがあります。最新の情報は、各機関の公式サイトや窓口でご確認ください。

この記事の更新履歴

  •  公開しました。

次に内容を見直す予定:2027年8月ごろ

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この記事を書いた人

これからの暮らし帖 編集部

年金・医療・介護の制度、詐欺の対策、終活、相続、お葬式とお墓について、厚生労働省・日本年金機構・警察庁・法務省・自治体などの公的な情報を確認しながら記事を作成しています。制度や数字は、定期的に見直して更新しています。