年金生活者支援給付金とは?もらえる人・金額・申請方法をやさしく解説
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この記事のポイント
- 年金生活者支援給付金は、年金などの収入が少ない方に、年金に上乗せして国から支払われるお金です。
- 老齢の給付金は、65歳以上・世帯全員が住民税非課税・前年の年金収入とその他の所得の合計が約92万円以下、の3つを満たす方が対象です。
- 令和8年度の基準額は月5,620円です。実際の額は、国民年金の保険料を納めた期間によって変わります。
- 対象の方にははがきの請求書が届きます。出した翌月分から受け取れるので、届いたら早めに出しましょう。
年金生活者支援給付金(ねんきんせいかつしゃしえんきゅうふきん)とは、年金などの収入が少ない方の暮らしを支えるために、年金に上乗せして国から支払われるお金です。老齢の給付金は、65歳以上で老齢基礎年金を受け取っていて、世帯全員が住民税非課税、などの条件を満たす方が対象です。令和8年度の基準額は月5,620円。対象になると「はがきの請求書」が届くので、出すだけで受け取りが始まります。
この記事では、自分が対象になるかどうか、いくら受け取れるか、はがきが届いたら何をすればいいかを、順番に説明します。
年金生活者支援給付金とは?
年金生活者支援給付金は、2019年10月に始まった制度です。消費税率の引き上げ分を財源にして、年金だけでは生活が苦しくなりやすい方に、毎月の年金に上乗せして支払われます。
給付金には、次の3種類があります。
| 種類 | 対象になる方 |
|---|---|
| 老齢年金生活者支援給付金 | 老齢基礎年金を受け取っている65歳以上の方 |
| 障害年金生活者支援給付金 | 障害基礎年金を受け取っている方 |
| 遺族年金生活者支援給付金 | 遺族基礎年金を受け取っている方 |
このほか、老齢の給付金の基準を少しだけ上回る方には、段階的に金額を減らした「補足的老齢年金生活者支援給付金」があります。収入が増えたとたんに給付金がゼロになって、かえって手取りが減ることがないようにするためのしくみです。
この記事では、主に老齢の給付金について説明します。
もらえる人の条件(支給要件)
老齢年金生活者支援給付金は、次の3つの条件をすべて満たす方が対象です。
- 65歳以上で、老齢基礎年金を受け取っている
- 同じ世帯の全員が、市区町村の住民税(市町村民税)を課税されていない
- 前年の「公的年金等の収入」と「その他の所得」の合計が、次の金額以下である
| 生まれた年月日 | 基準額(令和8年10月分から) |
|---|---|
| 昭和31年4月2日以後に生まれた方 | 926,500円以下 |
| 昭和31年4月1日以前に生まれた方 | 924,100円以下 |
出典:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」(2026年10月22日に確認)
ここでいう「公的年金等の収入」に、遺族年金や障害年金は含まれません。これらはもともと税金のかからない収入だからです。
補足的老齢年金生活者支援給付金の対象
前年の収入と所得の合計が、上の基準を少し超える方は、補足的な給付金の対象になります。
| 生まれた年月日 | 補足的給付金の対象になる範囲 |
|---|---|
| 昭和31年4月2日以後に生まれた方 | 826,500円を超え、926,500円以下 |
| 昭和31年4月1日以前に生まれた方 | 824,100円を超え、924,100円以下 |
出典:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」(2026年10月22日に確認)
いくらもらえる?(令和8年度の金額)
令和8年度の基準額は、前の年度から3.2%引き上げられました。
| 給付金 | 令和8年度(月額) | 令和7年度(月額) |
|---|---|---|
| 老齢年金生活者支援給付金 | 5,620円 | 5,450円 |
| 障害年金生活者支援給付金 | 1級 7,025円/2級 5,620円 | 1級 6,813円/2級 5,450円 |
| 遺族年金生活者支援給付金 | 5,620円 | 5,450円 |
出典:日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」(2026年10月22日に確認)
障害と遺族の給付金は、上の表の金額がそのまま支払われます。一方、老齢の給付金は「国民年金の保険料を納めた期間」によって金額が変わります。
老齢の給付金の計算方法
老齢の給付金は、次の①と②を合わせた額です。
- ① 保険料を納めた期間の分:5,620円 ×(保険料を納めた月数 ÷ 480か月)
- ② 保険料の免除を受けた期間の分:11,768円 ×(全額・4分の3・半額免除の月数 ÷ 480か月)
※②の金額は昭和31年4月2日以後に生まれた方の場合です。昭和31年4月1日以前に生まれた方は11,734円です。4分の1免除の期間は、5,884円(昭和31年4月1日以前に生まれた方は5,867円)で計算します。
※480か月は、20歳から60歳までの40年間のことです。生まれた年によっては、480か月より少ない月数で計算します。
例:保険料を40年(480か月)すべて納めた方 5,620円 × 480 ÷ 480 = 月5,620円(年額67,440円)
例:保険料を約33年(400か月)納め、免除の期間がない方 5,620円 × 400 ÷ 480 = 月約4,680円
ご自分の納めた期間は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できます。
いつ、どうやって振り込まれる?
給付金は、年金と同じ日に、同じ口座へ振り込まれます。
- 偶数月(2月・4月・6月・8月・10月・12月)の中旬に、前の月までの2か月分がまとめて振り込まれます。たとえば4月分と5月分は、6月中旬に振り込まれます。
- 年金とは別の振り込みなので、通帳には2件に分かれて記帳されます。
通帳で「年金が少し増えた?」と思ったら、それが給付金かもしれません。
申請の方法(はがきが届いたら)
給付金は、自分で請求しないと受け取れません。ただし手続きはとても簡単です。
すでに年金を受け取っている方
- 新たに対象になった方には、毎年9月頃から日本年金機構より「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届きます。
- はがきに名前などの必要なことを書きます。
- 切手を貼って、ポストに入れれば手続きは終わりです。所得の証明書などを付ける必要は、原則ありません。
原則として、はがきを出した翌月分から受け取れます。 出すのが遅れた月の分はさかのぼって受け取れないので、届いたら早めに出しましょう。
これから65歳になる方
65歳になって年金の受け取りを始めるときに、年金の請求と一緒に給付金の請求もします。年金の手続きの案内に請求書が同封されているので、年金の請求書と一緒に出してください。
年金を受け取る権利ができた日から3か月以内に請求すれば、その日にさかのぼって受け取れます。3か月を過ぎると、請求した翌月分からになります。
翌年からの手続き
一度受け取りが始まれば、翌年以降の手続きは原則いりません。日本年金機構が毎年、市区町村から所得の情報を受け取り、条件を満たしているかを確認します。毎年の判定は、10月分から翌年9月分の給付に反映されます。
はがきが届かないときは?
はがきは、新たに対象になったと判定された方にだけ送られます。届かない理由として、主に次のようなことが考えられます。
- 前年の収入と所得の合計が、基準額を超えている
- 同じ世帯に、住民税を課税されている方がいる
- すでに給付金を受け取っている(毎年の手続きは不要なため、はがきは届きません)
ただし、世帯の構成が変わった、税額が直された、などの理由で新たに対象になった場合は、はがきが届かないことがあります。その場合は、自分で請求の手続きをする必要があります。
「対象のはずなのに届かない」と思ったら、次の窓口に相談してください。
| 相談先 | 連絡先 |
|---|---|
| 給付金専用ダイヤル | 0570-05-4092 |
| お近くの年金事務所 | 日本年金機構のホームページで探せます |
耳や言葉が不自由な方は、年金事務所にファクスで問い合わせることもできます。目が不自由な方や、ご自分で書くのが難しい方は、代理の方に書いてもらって請求できます。
収入が増えたら、どうなる?
前年の所得が基準額を超えたり、同じ世帯に住民税を課税されている方がいたりすると、条件を満たさなくなります。その場合は「不該当通知書」が届き、給付金が止まります。
その後、所得や世帯の状況が変わって再び条件を満たすようになったら、改めて請求書を出すと受け取れる場合があります。
まとめ
- 年金生活者支援給付金は、年金の少ない方に、年金に上乗せして支払われるお金です。
- 老齢の給付金の基準額は、令和8年度で月5,620円。保険料を納めた期間で金額が変わります。
- 対象になるとはがきが届きます。出した翌月分からの受け取りになるので、早めに出しましょう。
- 届かないけれど対象かもしれないと思ったら、給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)に相談しましょう。
離れて暮らすご家族にも、この制度を知らない方がいるかもしれません。「こんな制度があるよ」と、この記事を送ってあげてください。
よくある質問
年金生活者支援給付金はいくらもらえますか?
老齢年金生活者支援給付金の基準額は、令和8年度で月5,620円です。国民年金の保険料を40年(480か月)すべて納めた方は月5,620円、年額にすると67,440円です。納めた期間が短い方は、その割合に応じて少なくなります。保険料の免除を受けた期間があれば、その分も加算されます。
はがきが届かないのですが、どうすればいいですか?
はがきは、すでに年金を受け取っていて、新たに対象になった方に毎年9月頃から順に送られます。届かない場合は、条件に当てはまっていない可能性があります。ただし、世帯の構成が変わった、税額が直された、などの理由で新たに対象になった方には届かないことがあります。心当たりがあれば、給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)か、お近くの年金事務所に相談してください。
毎年申請しないといけませんか?
一度受け取りが始まれば、翌年以降の手続きは原則いりません。日本年金機構が毎年、市区町村から所得の情報を受け取り、引き続き条件を満たすかどうかを確認します。
年金とは別に振り込まれますか?
年金と同じ日に、同じ口座へ振り込まれます。ただし年金とは別の振り込みなので、通帳には2件に分かれて記帳されます。偶数月の中旬に、前の月までの2か月分がまとめて振り込まれます。
年金を繰り下げていても受け取れますか?
老齢の給付金は、老齢基礎年金を受け取っていることが条件です。繰り下げて年金を受け取る前の間は、対象になりません。繰り下げの申し出をした日が手続きの基準になります。
収入が増えたらどうなりますか?
前年の所得が基準額を超えたり、同じ世帯に住民税を課税されている方がいたりすると、条件を満たさなくなり、「不該当通知書」が届きます。その後、所得や世帯の状況が変わって再び条件を満たせば、改めて請求すると受け取れる場合があります。
参考にした情報
制度や金額は変わることがあります。最新の情報は、各機関の公式サイトや窓口でご確認ください。
この記事の更新履歴
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次に内容を見直す予定:2027年4月ごろ
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この記事を書いた人
年金・医療・介護の制度、詐欺の対策、終活、相続、お葬式とお墓について、厚生労働省・日本年金機構・警察庁・法務省・自治体などの公的な情報を確認しながら記事を作成しています。制度や数字は、定期的に見直して更新しています。